2020年12月10日 (木)

泊めてくれる人

凄い美人が来たなあ、と僕は思った。
割り切り掲示板で泊めてくれる人を探していた玲子さんは、僕より少し年上の37歳。
「今晩はよろしくお願いしますね」
白いサマードレスがまぶしい玲子さんは、僕の狭い部屋に入ると、丁寧に頭を下げた。
さすがに若くはないのだが、もし「37歳限定美人コンテスト」があれば、入賞間違いなしを思わせる目鼻立ちがくっきりした美人だった。
玲子さんは、キッチンに立つと冷凍庫にあった氷でバーボンロックを作ってくれた。
こうして、美女にお酒を作ってもらうと、高級クラブに来たように錯覚してしまう。これはラブホでは味わえない感覚だ。
玲子さんは、僕と一緒にバーボンロックを傾けながら「恥ずかしい話ですけどね」と、事情を話してくれた。
もともとはクラブでホステスをやっていて、ある男と愛人関係になった。しかし、その男と半同棲状態だったのは、先週までの話。そのクズのような男が他の愛人を連れてきて、部屋を追い出されたそうだ。平たく言えば、乗り換えられたわけだ。
ワリキリ
「お金は彼が握っていたから一文無しですし、今更実家にも帰れないですし」
更には長い間、男に囲われていたので外の世界とのつながりはなし、唯一のコミュニケーション手段だったのはスマホからアクセスするインターネットの世界だけだった。そして、割り切り掲示板で泊めてくれる人を探していて、僕に拾われたというわけだ。
こんな美人を袖にするなんてとんでもない男だな、と思った。
僕は、玲子さんがしばらく着替えていないことを気にしていたので、お風呂を沸かして、男物ではあるが着替えも提供した。
「男物って初めて履きましたけど、スースーしますね」
と、風呂上りで上半身を腕で隠しながら、面白そうにトランクス姿を僕に見せる玲子さんは、抜群にかわいかった。
その翌日、玲子さんは自分の洗濯物が乾くと、再びサマードレスを纏って部屋を出て行った。
これからどうするのか?と聞くと、実家に帰って人生をやり直そうと思う、と答えた後、軽くハグをしてくれた。
「男物の下着だって履けたのだから、その気になれば何でもできる気がしました」
僕は、手土産に玲子さんが履いたトランクスをあげた。このトランクスが彼女の決意を支える守り神になることを祈って。
Twitterの割り切り
裏垢女子

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